プールには、水質管理のため、塩素がはいっています。
この塩素濃度は水道水と比較して、高いものではなく、人体に無害とされていますが、気になるという保護者の声はよく耳にします。
特に敏感肌の赤ちゃんをもつ保護者は、石鹸などで塩素をしっかりと落とせたらいいなと思う人が多いです。
またアデノウイルスなどプールの水を介して感染しやすい病気もあり、プール終了後のシャワーで予防したい保護者もいるでしょう。
今日は安心してベビースイミングに通いたいという保護者のために、プール終了後のシャワーの浴び方について解説します。
プール終了後のシャワーの役割
プールに入る前のシャワーは、体に付着した雑菌や汗を洗い流すことで、プールを清潔に保つ意味があります。
対して、プール終了後のシャワーには、2点の役割があります。
塩素を洗い流す
厚生労働省が定めたプールのなかの遊離残留塩素濃度基準は0.4~1.0(mg/L)と定められています。
参照:厚生労働省「遊泳用プールの衛生基準について」
これは水道水の残留塩素濃度基準0.1~0.4(mg/L)と大きな差はなく、人体に影響を与える水準ではありません。
そのため、仮にプール終了後にシャワーを浴びなくても即座に健康問題が生じるリスクは少ないです。
しかし塩素が残留したままにすることで、肌荒れ、髪のぱさぱさの要因になることがあります。
肌や髪の表面には、水分を一定に保ち、外部の刺激から肌や髪を守るバリア機能がありますが、塩素が付着することで、これらの機能が正常に働かなくなるためです。
そのため、肌が弱い、敏感肌体質の人は、かゆみや肌荒れといった症状が現れます。
これを防ぐために、プール終了後は塩素を十分に洗い流すことが推奨されています。
雑菌やウイルスを洗い流す
各スイミングスクールは、塩素や濾過装置を用いて、人体に有害な菌が繁殖しないようにしています。
しかし、プールの中の雑菌などを100%除去することは不可能です。
またアデノウイルスなど、プールを介して感染する病気も多くあります。
これらを洗い流すために、プール終了後のシャワーをあびます。
シャンプーや石鹸の利用
ベビースイミングにおけるシャンプーや石鹸についてお話します。
シャワーだけで、塩素や雑菌は除去できるのか
前述のように、プール終了後のシャワーには塩素や雑菌などを除去する役割があります。
しかし、シャワーで洗い流すだけでは、十分に落とせず、プール終了後は石鹸やシャンプーを用いて、洗うことが望ましいです。
スクールでシャンプーや石鹸を利用できるのか
ジムなどを併設するスクールでは、シャワー室でシャンプーや石鹸の使用が許可され、自由に利用できるよう備品として設置しているところもあります。
しかし、シャンプーや石鹸の利用を禁止するスクールも多いです。
その理由はシャワー室でシャンプーや石鹸を利用することで、滑りやすくなり、事故が起きやすくなるためという安全上の理由が多いです。
筆者の通うベビースイミングスクールも、シャンプー・石鹸の使用は禁止されているため、娘の水着を脱がし、丸裸にして洗うまでにとどめています。
シャンプー・石鹸が使用できない場合は?
シャンプーや石鹸が使用できる場合は、個人の判断で使用しましょう。
利用できないスクールの場合でも、即座に健康上の問題は生じないため、過度な心配は不要です。
まず、シャワーで十分に洗い流し、優しくタオルでポンポンと拭きます。
プールからあがった肌は、皮脂が落ち、乾燥して肌がつっぱっている状態のため、保湿をしっかり行いましょう。
皮膚科で保湿剤を処方してもらうほか、肌トラブルがなければ市販のものでも十分です。
このように親子で使える保湿剤なら、ママの保湿も同時にできて効率的です。
そして、家での入浴タイムにきちんと石鹸やシャワーで洗い、浴槽につかりましょう。
お湯につかることで、汗をかき、汗線に詰まった塩素を除去しやすくなります。
なお、塩素を洗い流すために、ボディブラシなどでゴシゴシ洗うことは、皮膚を傷め、逆に肌荒れになるため厳禁です。
入浴後のスキンケアもしっかり行えば、塩素の影響は気にしなくて大丈夫でしょう。
さいごに
プール終了後のシャワーには、塩素や雑菌を洗い流す役割があり、石鹸・シャンプーを利用することで、より効果が高まります。
石鹸・シャンプーの利用可否は、各スクールの規則で決まっていて、安全上の理由から使用を禁止していることも多いです。
石鹸やシャンプーを使えないと、大丈夫かなと心配になる保護者もいるでしょう。
しかし、プールの塩素は水道水と大差はなく、重大な健康被害は起きないレベルです。
雑菌にしても、石鹸の使用より、赤ちゃんの体調が優れない時は、欠席するなどの対策をとるほうが効果的です。
過度に心配することはなく、プールの日はしっかりお風呂にはいり、スキンケアを徹底しましょう。
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